脊椎分離症/脊椎すべり症

概要
脊椎分離症とは脊椎骨の上の関節突起と下の関節突起の間をつなぐ椎弓の峡部という狭い部分において骨性の連続性を欠く状態を生じたもので腰椎第5番に最も好発します。
脊椎すべり症とは上の腰椎椎体が下の腰椎椎体に対して前方にすべって移動している状態の総称です。
しばしば、分離症とすべり症は同時に併発し、この場合を脊椎分離すべり症と呼ばれています。
疫学
脊椎分離症の発生頻度は全人口の5縲怩V%で、さらにその10縲怩Q0%が分離すべり症となります。
スポーツ選手では発生率が2縲怩R倍にもなります。
脊椎すべり症の発生頻度は20縲怩R0代では男性に多く、女性では40縲怩T0代に多くなります。
成因と病態生理
以前は何かしらの先天性要因が考えられてきましたが、今日ではそうした先天的要因よりも主たる原因は発育期の過度の運動による疲労骨折とその後の遷延治癒という後天性のもで、外傷によるものが大方であるという見解です。
症状
脊椎分離症では腰部の鈍痛や疲労感があり、座骨神経症状は分離症では椎弓が後方に残存している為、一般的にはないとされています。
脊椎すべり症を起こすと椎弓部が神経根や馬尾に接し、座骨神経症状を起こすことがあるとされています。
またすべり度分類3度以上(下図参照)では外表所見として病変腰椎に陥凹(階段状変形)を認められることがあります。
脊椎分離すべり症でも陥凹所見が認められますが、分離症同様に椎弓が後方に残るため、一般的には座骨神経症状は一般的にはないとされています。
症状が進行することで腰椎の腰椎前彎の増強(過前彎)します。

検査
X線撮影像での異常所見(テリアの首輪像、程度分類)が認められるかどうかで判断されます。
徒手的には腰椎局突起の異常な動揺性や圧痛などを確認します。
治療
状態の進行度によっても異なりますが、持続的な神経症状がなければ、保存的治療が優先的に選択されます。
予後
10年以上の自然経過をみると脊椎分離症だけのケースでは予後は良好とされています。
脊椎分離すべり症に移行したものは持続的な腰痛を訴え、QOLの観点では予後は良くないと言えます。
脊椎分離症/脊椎すべり症に対するオステオパシー的考察
上記で「症状が進行することで腰椎の腰椎前彎の増強(過前彎)します」としていますが、高負荷、瞬発系スポーツを長期にわたって行うと、前方重心タイプになりやすく、上体の加重負荷が腰椎椎体(主として腰椎第5番)を前方にすべらすようなベクトルでかかるために、分離症/すべり症を発生しやすくなります。
主として腰方形筋や腸腰筋の左右の緊張状態や前方重心の調整をすることや、過前彎を改善するエクササイズなどで腰椎椎体にかかる負荷の軽減を図ります。
また、腸間膜の影響も考慮に入れ、腸間膜の柔軟性を取り戻す手技や食事のアドバイスも行う必要があります。
現在、脊椎分離症/すべり症であったり、手術をしても痛みが残っている方でもオステオパシー調整を受けることにより、痛みや症状の軽減・改善がみられることが多くあります。
また、分離やすべりがあっても実際には筋スパズムによって痛みが生じていることも多分に考えられます。
その場合、筋に対するアプローチだけで十分に痛みや症状に変化がでると考えております。






